インディアンジュエリーの人気アーティスト、アーロンアンダーソン氏がマライカ大須店へご来店された際のイベントレポート。


Aaron Anderson アーロンアンダーソン

アーロンアンダーソンは、トゥファストーンと呼ばれる石にデザインを刻み、その中に溶かしたシルバーを流し込んで作るトゥファキャストをジュエリー、宝石として世界に確立させたナバホ族アーティスト。
老舗のトレーディングポストでも特集を組まれるほど、現地での彼の認知度は高く、作り出されるジュエリーは現代的なスタイルから遊び心のあるもの、オールドスタイルまで幅広い。デザインによって表面のテクスチャに変化をつけたりと、こだわりのあるジュエリーを製作している、注目のアーティストです。


アーロン・アンダーソン(マライカ大須店にて)

メイキングレポート

アーロンアンダーソンが、マライカ大須店へ来店し、トゥファキャストによるジュエリー製作の実演をするというデモンストレーション・イベントを行いました。イベントでは、ストーンのデザインから始め、シルバーを溶かして流し込み、最後の仕上げまで、全ての工程を実演。フルメイキングを間近で見ることのできた大須店スタッフによる貴重なレポートをご紹介します。

トゥーファストーンを削り型を作る

トゥファストーンという石灰質のやわらかく削りやすい石に、鉛筆でデザインを下書きし、作りたい形に削り鋳型を作っていきます。

完成後の形をはじめに頭の中に描き、削る角度や掘り込む深さまでを計算し型を作ります。
均一の厚み・深さで仕上げるのにも高い技術が必要になります。
次に、シルバーを流し込む口を彫り、反対側に空気を抜く穴も作ります。この空気を抜く穴がないとシルバーが途中で止まってしまうことがあるそうです。

シルバーを溶かし型に流す

シルバーを溶かします。溶かすシルバーは破材を再利用していました。
普段の工房での作業は強い火力のバーナーを使いますが、今回は2本のガスバーナーで地道に温めていきます・・・
溶けたシルバーは900℃近くにもなり、真っ赤などろっとした液体になっています。
シルバーを流し入れたときの温度差を少なくするためにストーンも温めておきます。ストーンが冷えたままだと割れやひびが入りやすくなってしまうためなのだとか。
いよいよ溶かしたシルバーを流し込みます。
もう一枚の削られていない石の平らな面と合わせてゴムで巻きつけ固定し、型を準備します。シルバーが固まってから二つの石をはずします。
中には出来上がったシルバーが!!不要な部分をカットして磨きをかけて形を整えていきます。

成形・ロウ付けする

まずは全体の成形から。
ジュエリーに傷がつかないようにやわらかいハンマーを使い形を作ります。絶妙な力加減でゆがみの少ないジュエリーを仕上げていきます。

形が整ったら、接着します。
くっつけたい部分のみにフラックス液を塗り、バーナーで熱しながら銀ロウをあて溶接します。この時使う銀ロウはシルバー成分が60%程のもので、融点温度がシルバーより低いため銀ロウのみが溶けるようになっています。

いったん中和させ、その後燻しの工程へ・・・

水の中に希硫酸を混ぜた液体を作ります。
ロウ付けし、バーナーであぶったあとの銅酸化物を除去するため液体につけて中和させます。

希硫酸に浸すと表明の不純物が全て剥がれ落ち、シルバー100%の白みがかった色味になります。
次に、オキシダイドという液をつけ、黒く燻します。※今回は硫黄の液ではなくオキシダイドという薬品を使用しました。

最後にスチールウールで磨きをかければ完成です。

燻しの残し具合はこの工程で全てが決まります。
目の粗さが異なるスチールウールを使ったり、微妙な力加減で仕上がりのイメージを微調整していきます。
今回のデモンストレーションではバフに使う機械がなかったので、“リューター”を使用し、エッジを削って表面を研磨し一部鏡面仕上げのところを作りました。

こんな感じで燻しの仕上げと鏡面仕上げのコントラストもアーロンの作品の魅力の一つです。
またキャスト部分に細かいテクスチャがデザインされているものもあり、細部にわたるアーロンのこだわりやセンスを感じることができます。

特別なものを使うのではなく、同じ道具からこんなにも様々な表情の作品が生まれるのも、インディアンジュエリーの奥深さであり、大きな魅力を感じます。


動画 アメリカの工房での作製風景(YouTube)                        

マライカ大須店

住所 〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須 3-32-3 名古屋大須商店街内
   TEL: 052-252-5501


マライカ大須店 2F ジュエリーフロア

アーロンアンダーソンの作品は、オンラインショップでもご覧になれます。
公式オンラインショップ/Aaron Anderson

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