優しい色合いの美しい柄が見る人着る人を楽しませてくれるインドの伝統染色「カラムカリ」。今回はその美しい布のご紹介です。

伝統の染色技法「カラムカリ」

更紗の原産地は、インドであるといわれています。紀元前3千年ごろにはすでに綿織物が作られ、手描き更紗が染められ始めていました。初期の更紗は竹の棒に糸を巻きつけペンのように色を差したり、部分的にろうけつ染めを施す「カラムカリ」という技法で作られていました。もとは宗教行事などに使う布で、寺院の装飾に使われていたようです。
カラムカリは、ペルシャ語で「ガラムカール」といい、カラムが ‘ペン’ 、カリが ‘仕事’ を意味し、ペンを使った仕事のことを指しています。現在も手描き技法、ろうけつ染め、木版ブロックプリントを併用した技法などがありますが、近年では木版染めがもっとも一般的です。

インド南東部、アンドラプラデーシュ州で長きに渡り受け継がれており、ぺダナという街では今でも盛んに作られています。今回はそのぺダナで作られているカラムカリが出来るまでをご紹介します。


伝統的なカラムカリ技法を伝える街の工房では、花や樹皮、種、天然鉱物など、インドで調達できる自然素材の染料のみを用いた、繊細なプリントを生みだしています。自然の力と人の手による昔ながらの工程は、地道な作業の連続です。


生地の長さを測ってカット。

生地を川で洗う。

ミロバランを混ぜた冷水に浸ける。

生地を絞る。

始まりはまず、染色する生地を工房の壁を利用して長さを測りカットしていきます。そして川へ運び、生地が柔らかくなるまで、水に浸し洗います。次に、生地は工房へ戻され、染色の準備に入ります。染色の前に染料がよく吸収されるよう生地をミロバラン(シクンシ科の喬木( キョウボク)の実。僧侶の衣装の染色にも使われています。)で下染めします。

ミロバランには糸や布を染めるのに適した色素と媒染材(染料を繊維に固着させる役割)となるタンニンが多く含まれており、染色には欠かせない染料。更紗の下地が黄色味を帯びているのは主にこの染料の色です。布を下染めした後、広い敷地に運ばれ直接地面の上に布を広げ日光に当てて24 時間乾かします。


次の作業場に布を運ぶ。

日光に当て乾かす。

ブロックプリントの作業。

模様を重ね合わせ布が完成。

その後下準備を経てようやくブロックプリントの作業に入ります。プリントには、模様を彫った木版を使います。1柄に何種類もの版が必要で、木版職人により、植物モチーフや幾何学模様など様々な種類の模様が作られます。長い作業台の上に布を敷き、自然由来の染料を木版に付けて一つ一つていねいに模様を押していきます。慣れた手つきの職人が、位置をぴったりと合わせテンポ良く押していきます。

布全体が模様で埋まり美しい柄が出来あがると、それを再び敷地に運び直射日光で乾かします。太陽に当てることで染料が落ちにくくなるそうです。
最後に、乾いた布を樹皮や花など自然素材の染料が入った湯で1時間ほど煮て、その後ふたたび川の水ですすぎ、直射日光で乾かすとカラムカリの布が完成します。その後さまざまな製品に仕立てられます。

このように、染めと乾燥を何度も繰り返して色を定着させるカラムカリは、太陽光の強さや川の水の鮮度など、自然の力が発色に大きな影響を及ぼします。ひとつひとつ微妙に異なる色合いに仕上がりますが、それも自然と人が織成す魅力だと思います。
自然と手仕事の美しさを感じさせてくれる素敵な布を使ったMALAIKAの商品をぜひお楽しみください。

カラムカリの商品は、一部店舗を除く全国のマライカ、または、公式オンラインショップでも販売しております。

公式オンラインショップ/カラムカリ