素朴な味わいが魅力的なインドカディ。インドで長く愛され続けている手紡ぎ・手織りの布のストーリー。

愛され続けられるカディー

カディ(KHADI)は、インドを代表する伝統的な手紡ぎ・手織りの布です。
インドがまだイギリスの植民地だった頃、マハトマ・ガンディーはイギリスの機械織りの布に対抗して、各地でインド国産の手紡ぎ・手織りのカディを広め、人々に仕事を与え自立を促し団結させることでインドの独立に貢献したと言われています。
そのようにインドに普及したカディは今日もなおインドの人々に愛され続けています。


織上がったばかりのカディ。

チャルカで紡がれた糸。
そんなカディの布を求めて、ガンディーの出身地でもあるグジャラート州のガンディーアシュラムを訪ねました。
ガンディーアシュラムは政府の援助によって仕事のない人にカディ作りなどの仕事を与え、独立を助ける取り組みを行っている団体で、ガンディーの志を今も引き継いでいるところです。
壁に飾られたガンディーの肖像画。今もなお人々に尊敬されている様子がわかります。

棚が並んだ倉庫を進んでいくと、窓際に生成りのカディ布が積まれていました。織りあがったばかりのカディの布。糊がついて張りがあり、独特の不均一さが作り出す影が手仕事の味わいを引き立てます。
ここにある布は大量生産品ではありません。いつ入ってくるかわからないので、オーダーもできないそうです。大切に織られた布をある分だけ買わせてもらいました。


ガンディーアシュラム

壁にガンディーの肖像画が。
翌日、グジャラート州をさらに西へと進み、カディを作る村を訪ねました。
おじいさんがチャルカとよばれる昔ながらの機械で綿から糸を紡ぐ様子を見せてくれます。おじいさんがハンドルを回すと綿が細い糸になって糸巻きに巻かれていきます。時折ハンドルを回す速さをゆるめ、左手に持った綿の位置を動かしながら、糸が途切れないようにくるくると巻いていくその様子はまさに職人技。何十年も培ってきた技術です。

近くにある別の家では、手織りのカディのサリーを製作中でした。織機に使う糸を用意するのはこの家では女性の仕事です。庭にある工房で木の棒の先に糸を引っ掛けて、絡まないように縦糸を用意していきます。サリーの長さはおよそ5メートル。何度も何度も木の棒を往復させます。
横糸はチャルカで用意します。ハンドルを回して糸巻きを必要な分だけ作られます。


チャルカ

カディを織る織機の縦糸を用意する女性。
糸の用意が終わったら、織機に糸をセットして織る作業に入ります。織機の紐を引くと、シャトルが音を立てて左右に動いて軽快な音が響き、布が織られていきます。途中に柄のはいった布は目を数えながらの作業になるため、一日に織れるのはおよそ30センチ。糸の準備から数えると一枚のサリーを織りあげるまでには相当な時間がかかります。

カディを織るのは男性の仕事。

柄を入れるために目を数えながらの作業。

手紡ぎ・手織りのその不均衡な布は、糸の太さの違いのために起こる織りむらや染料の入り方の違いによる色むらなど、同じように作られた一枚一枚の布がときにまったく異なる表情をみせます。

大量生産の工業製品の世界ではきっと不良品とみなされてしまうその布を、今日にいたるまでインドでは多くの人々が愛し続けています。不均衡だからこそうまれる肌ざわりや通気性の良さを知っているからです。

それぞれに違うものをあるがままに受け入れる。それはまるで様々な文化や言葉、宗教が行きかうインドそのものを、その懐の深さを表しているかのようです。
人々の生活の中に溶けこんでいるカディ。その素朴な手仕事の味わいをぜひお楽しみください。

カディの商品は、一部店舗を除く全国のマライカ、または、公式オンラインショップでも販売しております。

公式オンラインショップ/カディ

STORY