マライカのネパールニット
ネパール ヒマラヤ
ヒマラヤ山脈
ネパールニット
ナチュラルなウールの毛糸

自然と共に暮らす人々

ネパール(正しくはネパール連邦民主共和国)は、東、西、南の三方をインドに、北方を中国チベット自治区に接する西北から東南方向に細長い内陸国で、日本のわずか 3 分の 1 ぐらいのとても小さな国です。国土にはかの有名な世界最高峰エベレストを含むヒマラヤ山脈があり、標高は100mからエベレスト山頂の 8,848m までとヒマラヤ山脈に斜めに広がるように位置しています。30以上の民族が暮らす多民族・多言語国家であり、宗教もヒンドゥー教、仏教などが混在しています。仏教の開祖である釈迦(ブッダ)の生誕の地であるルンビニはこのネパールの南部タライ平原にあり、アジアを中心に世界中から多くの巡礼者や観光客が押し寄せる聖地となっています。

ネパール通貨の名称はルピー(Rs)で、1ルピー約1.15円ぐら い。ネパールは現在発展途上の国ですが、急速に開発が進んでおり、物価も上がり続けています。とは言っても現地の食堂では 200円ほどでお代わり自由のダルバートという国民的定食 (ダル = 豆のスープ、バート = お米) を食べることが出来ます。

首都はカトマンズ。ネパールの中で一番の都市で、市街地には多くのお店が軒を連ねてバザールが形成されています。高級店でない限り、並んでいる商品に定価や値段がついていることはありません。買い物の際、小銭が生じるときは、値切り交渉している姿も多くあり、人情味溢れる人々の生活が見られます。


ネパールの定食、ダルバート

賑やかなマーケット

ネパールの人々の生活は不自由なことばかり。ほぼ毎日どこかで停電が起き、水不足も日常的なことです。生活に必要な水は各家庭で給水車を呼んで買うか、地下水が出るところは それで賄います。首都でも水道がない家はまだたくさんあり、共同の水汲み場へ水甕やポリタンクを持って水を汲みに行きます。また、郊外の村々ではガスの普及も行き届かず、炊事のために火起こしから始めます。便利な生活が当たり前な日本の環境に比べるととても不便でなりませんが、古き知恵と力強い生命力で生きているネパールの人々はいつも素朴な優しい笑顔と幸せで満ち溢れています。


共同の水汲み場

水を汲む女性

10月から 4月は乾期。雨が降ることは殆どなく、空気が澄み渡り、ヒマラヤ山脈には雪が降り、白い山並みを展望できます。標高1300mにある首都カトマンズでは雪は降りませんが、朝晩は冷え込み、建物の中は寒いので、日中陽射しが暖かいうちはほとんどの人が外に椅子を持ってきて作業をしたり井戸端会議をしています。この時期は、手編み物のベストシーズンで、道端で編み物をしている女性達をよく見かけます。

5月から9月の雨期。長く雨が降り続いて1週間以上太陽が出ないこともあり、大雨が降ると必ず冠水し立ち往生することも。ただ、この時期の緑溢れるヒマラヤの麓は美しく、田植えされた棚田はパッチワークのカーペットのように素晴らしい景観となります。田植えはもちろん、ヒンズー教や仏教の宗教色が色濃く残る伝統的なお祭りも数多く開催され、1年の中でもっとも忙しい時期になります。女性達は子供の世話をしながら行事をこなし、また編み物もします。自然に沿った暮らしの中で、編み物は大事な仕事として継承されており、 今でも沢山の女性達が編み子として働いています。 今回はこのヒマラヤの麓で暮らすネパールの人々が編むニットのご紹介です。

ウールニットが出来るまで

気持ちをほっこりさせてくれるような温かみのあるネパールのウールニット。原料となる羊の原毛はニュージーランドから輸入したもの。それを紡績工場で毛糸にします。

まず専用のベルトコンベアの機械にかけてゴミを取り除きながら原毛を均していく工程を複数回繰り返します。そのあと糸を紡ぐ機械(スピニングマシーン)で撚って毛糸が出来上がります。ネパールの紡績工場では主に原毛の段階で洗う工程が入らないため、マライカでは仕上がった毛糸を洗いにかけて余分な羊の油などを落としてから工場へ運んでいます。

こうして作られた毛糸は、作るアイテムにより手編みの工場や機械編みの工場へ。棒針編みやかぎ針編みの小物類は手編みの工場へ、それぞれのパーツが大きいセーターやカウチンは機械編みの工場へ運びます。


ウールの原毛

ゴミを取り除き原毛を均す機械

スピニングマシーン

手編みの場合は、工場から編み子グループのリーダーに毛糸が渡され、さらにリーダーから編み子達に仕事を振り分けて、グループで協力し合いながら商品が作られていきます。カトマンズ盆地には編み子グループが幾つも存在し、編む場所はそれぞれの家庭やリーダーの家であったり、晴れて暖かい日中には道端で集まって編んだりと、楽しくおしゃべりをしながら編んでいます。

機械編みの場合は手動式横編み機のある工場へ運ばれます。

通称” 手横” と呼ばれる編み機は編み物の需要が増えると共に普及していきました。手編みは女性の仕事ですが、手横は男性の仕事にもなり家族経営の小さな工場も少なくありません。毛糸を手横にかけ、キャリッジ(糸を針に供給するための装置)を左右に動かしながら編地を編んでいきます。身頃、袖、リブ等各パーツごとに編み、それを手編みでリンキングして製品に仕上げます。リンキングとは継ぎ目が目立たないように、縫目の厚みを押えながらつなぎ合わせる編み方です。


染色していないそのままの色のウール糸

リンキングやボタン付けの作業

一つ一つ手作業での仕上げ

そして手編み、機械編みともに出来上がった製品は検寸や検品を行い、私たちの元へ届きます。

毎年秋冬になるとマライカのお店で見かけるネパールのウールニット。それら全てがこのような工程を経てお店に並んでいます。ちなみに、こちらに掲載している商品はどの色も羊の毛そのものの色をブレンドして作られた自然の色あいです。ウール100% しかも素材そのままの色だからこそ表れるナチュラルな魅力が見てとれると思います。

開発が急速に進んでもネパールの人々の基本にあるのは宗教に則った祭事であり、どんなに忙しいときでもそれは欠かさない大切なものです。世界最貧国のひとつに数えられるネパール。2015 年4 月の大地震では、多くの被害が発生しました。復興の遅れも依然ありますが、信仰深く懐の深い民族の国です。悲しいときにこそ笑うんだと誰しもが口にする、そんなネパールの人たちと仕事が出来ることは私達にとって、大変喜ばしいことです。日本からはるか5000km、心温かい人々が暮らす国から届く素敵な商品を、マライカへお越しいただいた際には是非お手に取ってご覧いただき、ネパールを身近に感じていただけたらと願っています。


ネパール工場の皆さん

ネパールのウールニットは、一部店舗を除く全国のマライカ、またはオンラインショップで販売しています。

オンラインショップ/ネパールのウールニット