刺し子の文化

マライカで大人気、グドゥリーのご紹介です。
『グドゥリー』とはヒンディー語で刺し子を示す言葉で、南アジア北東部ベンガル地方で今でも続いている技法です。ベンガルの人々のものを大切にする心からうまれた心温まる伝統技法で、着古したサリーや腰布（ルンギ）など、生活の中で様々な用途に使われ、穴が開いたり薄く弱くなった布を重ね合わせて、全面に細かいステッチを刺し子して補強し生地を蘇らせます。
幾重も重ねて一針一針丁寧に縫い合わせることにより、色とりどりの美しい生地に生まれ変わり、その１枚１枚からはベンガルの女性の心に寄り添えるような温もりを感じられる素敵な手仕事です。

マライカのグドゥリーは、インドの東の都市、コルカタの街から４時間ほど車を走らせた緑豊かな自然が広がるクスティア村から調達しています。

ベンガルの村々に住む女性たちが、忙しい家事や農作業の合間にこつこつと作業し作り上げたもの。長い時間を掛けて一枚の布をびっしりと刺繍で埋め尽くし、気の遠くなるような作業を経て縫い合わされた布は、裏と表の組み合わせに同じものは二つとありません。

直線のランニングステッチのほかに丸や四角模様など様々な文様の刺繍を施すこともあります。大きいベットカバーサイズのものは二ヶ月ほどかかることもあるのだとか。細やかな刺し子は女性たちの努力の結晶です。

今季の衣料はコットンのグドゥリーを集めその中からなるべく状態の良いものを選ばせてもらい、インドのジャイプールにある縫製工場でマライカオリジナルのデザインに仕立ててもらいました。様々な色合いの生地をパッチワークして、色鮮やかで華やかに仕上がっています。
衣料品の他にも、バッグの新作や、ストール、クロス、クッションなど多数ご用意しております。

現地で買い付けた生地から作った商品はすべて一点ものです。世界に一つだけ、あなただけのオンリーワンを是非見つけに来てください。ものにあふれた世界の中で、人々が失いかけている気持ちを今なお大事にしている美しい心の民族。その人々が作り出す商品から素朴な温かさや想いを感じ、癒され、私たちは引き付けられているのだと思います。生活の中で着想された素晴らしい技術、いつまでも継承されますように。